2021年12月04日

AIYIMA A07の改造

amazonのブラックフライデーでAIYIMA A07が安く売っていたので買ってしまいました。小さくて軽いので、持ち運び用に使えないかと思ったためです。
届いた箱と、中の状態です。値段の割にまともな梱包です。
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届いた状態で音出ししてみると、音が安定せずに音像が揺らぐ感じがありました。このままでは使えそうもないので改造してみることにしました。
しかし、ネットを探しても回路図が見つかりません。TPA3255の周辺はいじるつもりはないのですが、入力周りの回路が分からないと改造の方針が立ちません。そこで、入力周りだけ回路図を作ってみました。調べた結果を下図に示します。
信号はボリュームを通った後に反転アンプで6dB増幅し、更に二段目の反転アンプで逆相の逆相である正相信号を作っています。
入力の50kΩBのBタイプは、オーディオ用としては失格なので10kΩAのAタイプに交換します。あと、一段目の反転アンプの後にコンデンサを介して二段目の反転アンプが繋がっていますが、これは何故だろうか???? 安定動作のためにコンデンサが入っているのだろうと思われますが、普通は入れないだろうと思われますので、ジャンパ処理します。
【追記】ネットを調べていたら、やはり同じようにジャンパ処理している例がありました。評価基板のマニュアルもコンデンサは入っていないので、ジャンパで直結するのがいいようです。
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オペアンプの入力周りの10μFのケミコンは、安価で音も比較的良いという評価の東信UTWRZに交換します。また、6Vを作っているケミコンは、より安定化するためにOSコンの56μFにしてみました。オペアンプも比較的評価が良いLT1364に交換します。
交換する部品を外して、Linkmanの10kAボリュームを取り付けた状態です。ボリューム周りの基板は、ピンヘッダの太さがスルーホールの内径と差が小さいため、はんだ吸取り器を使っても取り外しに苦労しました。パターンを壊していないか確認しながら作業しました。
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改造後の回路図を下図に示します。
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改造後の基板です。
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電源を入れてみると、特に問題なく動作しました。コンデンサをジャンパに変えても大丈夫なようです。一段目のオペアンプの入力バイアス電圧と二段目のオペアンプの入力バイアス電圧の差が殆ど無くなっていますので、ジャンパ処理が正解なのではないだろうか???
【追記】上でも追記しましたが、ジャンパ処理で正解のようです。

改造後に音を聴いてみると、音像が揺らぐ感じが無くなりました。
ただ、やっぱりデジタルアンプのせいなのか、電源がACアダプタのせいなのか QUAD77のパワーアンプに比較すると分解能が劣ります。しかし、かなり善戦していることも事実なので、持ち運び用としては使えるレベルのような気がしました。なんといっても、軽くて小さいのがいいです。
posted by lobs at 19:03| Comment(0) | アンプ

2021年10月09日

AMT YDG40-01を使ってみた

AMT YDG40-01は いわゆるハイルドライバーで、直径が40mmの小さなツィータです。これを、パイオニアのS-N701LRのツィータに置き換えてみました。 このS-N701LRは、昔、ツィータを壊してしまい、とりあえずFOSTEXのPT-20に置き換えてあったものです。しかし能率の差が大きいため高音が不足気味になっていたものです。しかも今回の改造で気がついたのですが、間違えて正相で接続していたため2kHz付近の落ち込みが大きくなっていたらしく実力を発揮できていませんでした。
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AMTのYDG40-01はaliexpressで購入しました。4Ωと8Ωがあるのですが、とりあえず8Ωにしてみました。到着した状態です。
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ユニットは、Dayton AudioのAMT Mini-8にそっくりです。
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値段が安いのでバラツキが心配でしたがS-N701LRの上に仮置して音出しし、比較してみたところ、気になるような差はありませんでした。(PT-20には蓋をして影響しないようにして測定しています。)
この時に、3.3uFのコンデンサを直列に入れたつもりで測定していたのですが、気がついたら入れ忘れていました。それでも、壊れなかったようで、問題なく使用できています。ハイルドライバーなので、振幅が飽和しても隣の線と接近するだけになるので、低域の入力に対して強いのかもしれません。

また、音圧は偶然ですが、S-N701Lのウーハーとほぼ同じレベルでした。これだったらコンデンサ一個のハイパスフィルタだけで済んでしまいます。

ハイパスフィルタ無しで正相接続した時の特性を下図に示します。つまり、S-N701LのウーハーとYDG40-01をパラに接続した状態です。2kHz付近の落ち込みと、4kHz付近の山があります。
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ハイパスフィルタ無しで逆相接続した時の特性です。2kHz付近の落ち込みが抑えられ、4kHz付近の山が無くなっています。ちなみに、3.3uFのコンデンサを直列に入れると正相と逆相の差は殆ど無くなります。しかし、逆相で接続すべきだろうと思われます。
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木の板を加工してアダプタを作り、YDG40-01を取り付けるようにしました。工作途中の写真を撮り忘れてしまったので、完成した状態の写真だけ載せます。
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ツィータのハイパスフォルタに3.3uFを入れ、組み立てた状態の特性です。スピーカーの置き場所の関係で低域の特性が違っていますが、高域側はPT-20を付けていた時に較べると伸びています。
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音出ししてみると、特性の違いが出ていて高音が出ます。また、ハイルドライバーなので柔らかく綺麗な音になっていました。
posted by lobs at 19:31| Comment(0) | スピーカ

2021年07月22日

雷の録音

ちょっと前になりますが、雹と雷が家の辺りを通り過ぎたときに雷を録音してみました。マイクは自作したバウンダリーマイクで、雨風が当たらない窓枠に載せた状態にしました。レコーダーはzoom F6です。雷のようにピークレベルが予想できないような音源だと32bit float録音が威力を発揮します。
録音後にファイルをsoundengineに読み込ませて、近くに雷が落ちたときの録音波形を切り出してみました。ピークレベルが30.07dBとなっていて、通常のレコーダーだと完全にクリップしている状態です。
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soundengineで-31dBの音量処理をしてみたときの波形です。
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見事にクリップしていない波形になりました。
近くに雷が落ちたときは雹が降っていて、雹が壁などにぶつかる音がかなり大きく聞こえていました。これを雷の音がクリップしないレベルまで音量を下げる処理をすると、かなりボリュームを上げないと雹の音が聞こえなくなります。しかし、ヘッドホンで雹の音が聞こえる状態で聞いていると、雷のときに耳が痛くなります。

この部分前後を44kHz16bitにしたデータを下記URLにアップしました。長さは15秒くらいで、雷は3秒あたりからです。
210711_17_08_44k16bit_blog.wav

zoom F6の32bit float録音では、初期の音量レベルを適当に設定しておけば、ダイナミックレンジの広い音でもクリップすることなく録音できてしまいます。しかも192kHzで6ch録音ができるので、生録に使ったときの威力はすごいです。
posted by lobs at 18:50| Comment(3) | 録音