2022年12月30日

上野さん設計24bit R-2R DAC チップ抵抗版

だいぶ前に上野さんから24bit R-2R DAC基板を分けてもらい、マルチチャンネルシステムを組もうかと思っていたのですが、引っ越し、退職、就職など、身の回りで大きな変化があり、手つかずのままになっていました。最近、少し時間がとれるようになったので、±0.1%精度のチップ抵抗で組んでみようと部品を集めてみました。
0.1%精度の抵抗を選んだのは、お気楽オーディオキット資料館のマニュアルを見ると0.1%精度の抵抗を使えばMSB抵抗の調整が不要と書いてある( http://www.easyaudiokit.com/bekkan/manual/R-2RMK2Manual.pdf )ので、そのあたりも確認してみるためです。
私の場合は1.8kと3.6kで組んでいます。2.54mm間隔のリード線付き抵抗パターンにはんだ付けするので抵抗は、1608(0603)サイズを使用します。このサイズの抵抗が比較的安価に入手可能だったのはmouserでしたので、ここに発注しました。
基板に載せる部品は下図のようになります。上野さんのサイト( http://tomozon.sakura.ne.jp/DAC/74AC574_4para_DAC/ )からコピーした図に書き込んであります。
20221229_DAC_s.jpg
あと、DAC出力に入っているコンデンサはPMLCAPの25V10μFがちょうど収まるので、それにしました。デジタル側の電源には、330μFのケミコンを追加し、その部分の0.1μFのコンデンサはチップコンデンサを裏側に貼り付けています。

MSB抵抗調整部分ですが、まず、3.57kΩ(±0.1%)+10Ω(±1%)+50Ω半固定抵抗で組んでみました。efuさんのwavegeneで1kHz、-90dB信号を入れ、ノイズが消えるように調整します。-90dBですと実質的に無音ですし、MSBとLSBの反転は起こるのでMSB調整抵抗のずれによるノイズが明確に聞こえます。この方法が楽だし、確実であるような気がします。
その結果、半固定抵抗の値が19.4Ω(右;和を採ると3.5994k 有効数字は無視)と19.1Ω(左;和を採ると3.5991k 有効数字は無視)付近になりました。ノイズが聞こえなくなる範囲は12回転型で2回転分くらいありますので、±4Ωくらいに収まればいいということになります。つまり、±0.1%精度の抵抗を使えば半固定抵抗によるMSB抵抗の調整が不要になるようです。でも、調整できないというのも これはこれで気になるので、半固定抵抗は入れることにします。
この結果を受けて、3.57kΩ(±0.1%)+22Ω(±1%)+[50Ω半固定抵抗と15Ω(±1%)をパラ]にしました。
sch3_a.jpg
半固定抵抗とパラに抵抗を入れたのは、このようにすると調整したときにノイズの消えるポイントが より明確になるためです。

組み立てたときのMSB抵抗調整部分です。
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今まで使っていた基板と並べてみました。抵抗が見えなくなると、だいぶ印象が変わります。
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肝心の音ですが、基板を交換するのに時間が過ぎてしまっているので、あくまで感覚的になりますが、柔らかく分解能が増したような気がします。
posted by lobs at 10:31| Comment(0) | デジタル・オーディオ

2019年06月23日

U氏設計24bit R-2R DAC修理

2006年に作って順調に稼働していたU氏設計基板を使ったDACですが、去年の末あたりから一部の光入力が使えなくなっていました。光入力はTORX179で受けて、74HCU04を通し、パルストランスで出力するようにしています。電源も光入力部分を独立させていて、パルストランスと両方の効果でアースの干渉を防ぐようにしてます。
作ったときから、74HCU04の負荷がちょっと重いと思っていたのですが、そろそろ限界になったと思われます。念の為、他の部分の動作をチェックしてみるとTORX179周り、DAI基板周りは問題ないようです。
本来であれば、回路の設計からやり直すべきなのでしょうが、1枚の基板を作るのは効率が悪すぎますので、とりあえず74HCU04を交換することにします。

デジタル入力部の基板は、手配線なので細い配線が重なっている部分があります。今回は、シリコン接着剤で固めてショートの危険を防止しました。また、ハンダミスがありそうな場所は再ハンダ処理しました。
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DIPタイプの74HCU04は多めに買ってあるので、5個全部交換します。パルストランスは、FT-50#77を使った自作のものなのですが、LANケーブルの芯線が太くて綺麗に巻けないものの問題なく使用できています。将来は、メーカー製のものに交換するつもりです。
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今回の作業でU氏設計基板を使った24bit R-2R DACの光入力が問題なく使用できるようになしました。
posted by lobs at 14:58| Comment(0) | デジタル・オーディオ

2019年02月17日

CM6631a USB DAC基板のセルフパワー化

手元にあるUSB DACが古いため 最近流行りの192kHz音源が再生できません。また、三太郎さんの88.2kHz録音も受け付けてくれません。そこで、安いUSB DACを探したらCM6631aを使ったものが目に付きました。非同期で動作するらしく、45.1584MHzと49.152MHzの発振器を載せています。発振器はMEMSを使ったPLLタイプですが、最近のものは非常に精度が良くなっていて水晶と遜色ないレベルになっているようです。基板上のDACはES9023です。同軸と光のSPDIF出力がありますが、この他に基板上にI2S出力端子を付けることができるようになっています。
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元々はバスパワーで動作するようになっていて、0.1Aくらいの電流が流れます。これをセルフパワーで使おうと思って調べてみました。セルフパワーにしようと考えているのは、基板と共通の電源を使って、外付けの回路を組み込むつもりでいるためです。
単純にPC或いはUSBハブ側からの5Vを切って 外から5Vを供給してみましたが、動作が安定しません。また、スマホに接続してみると、48kHzまでしか対応できないと表示されます。ネットで調べてみると、D+ラインを1.5kΩでプルアップするとハイスピードになるようなので、抵抗を入れてみることにしました。但し、CM6631aにプルアップ抵抗が内蔵されていると思われるので、あまり小さな値だとUSBの負荷が重くなってしまいます。そこで、4.7kΩを入れることにしました。
USB外部電源s.gif

aitendoで買った変換基板を細工して外部電源を使えるようにし、さらに4.7kΩのプルアップ抵抗を入れます。この状態で試験してみました。
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その結果、動作が安定してセルフパワーのUSB DACとして使えるようになりました。PCから USB2.0 High Speed True HD Audio として認識されています。他のUSB DACとの切り替えも問題ありません。
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また、FoobarだとASIOが使えますので、音源ファイルの周波数に対応してSPDIF出力のサンプリング周波数が切り替わります。これは便利です。
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スマホに接続して96kHz24bitのファイルを再生してみましたが、問題なく再生できました。
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CM6631aを使ったUSB DACの場合は、基板をいじることなく4.7kΩのプルアップ抵抗を入れることでセルフパワー化できるようです。この形でケースに納めてみようと考えています。
posted by lobs at 21:45| Comment(0) | デジタル・オーディオ