2022年01月09日

AIYIMA A07用48V電源

なんとなく48V 7〜10Aくらいのスイッチング電源を探していたら、amazonで48V8.3Aの電源が安く出ていました。S-400-48という型番で、LED用の電源のようです。注文して届いたものは不良品だったので返金処理してもらい、同じものを再度注文しました。2回目に届いたものは問題なく動作しました。念のため、簡単な負荷試験を行い、800Wの電熱器に接続して4A流してみましたが、殆ど電圧が変化しませんでした。これ以上の電流だとトラブルが起こったときの影響がちょっと怖いので、ここまでにしています。
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冷却ファンは常時回転するようになっているようです。煩いので回転を抑える抵抗を直列に入れることにします。
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とりあえず、ファンを使わない状態で動作試験をしてみました。電源の温度上昇は感じられず、特に問題なく動作していました。大音量を連続で再生するような使い方以外であれば、ファンの回転数を抑えた状態で問題ないようです。
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ファンの回転を抑えるための抵抗は試行錯誤の結果、680Ωをパラにして340Ωとしました。スイッチで抵抗をショートできるようにしています。このとき、抵抗の両端には約12V、ファン側には約5Vの電圧が発生していました。
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抵抗を直列に入れて回転を抑えた状態だと、ファンの音が殆ど聞こえなくなります。
前回のブログで紹介した電源のフィルタを入れた状態で、A07に付属してきた32VのACアダプタと今回のスイッチング電源の再生音を比較してみましたが、大きな差はないように感じました。
A07は、さすがに半導体無帰還アンプと較べると音の差がかなりあり通常使うアンプにはなりません。しかし、QUAD77パワーアンプと較べると似たような傾向の音になります。QUAD77パワーアンプよりも音が硬めですが、持ち運び用のアンプとして大出力、小型のアンプとして使えるレベルなのではないかと思いました。
posted by lobs at 12:14| Comment(0) | アンプ

2021年12月26日

AIYIMA A07の電源にフィルタ追加

デジタルアンプで以前からやってみたかったのは、スイッチング電源の出力にCRフィルタを入れたときの音の違いの検証です。スイッチング電源よりも電源トランスを使ったアナログ電源の方が音が良いのは昔から知られており、確認もしていました。しかし、電源トランスは重いのでスイッチング電源の軽さ、小ささは魅力的です。そこで、中間を狙ってスイッチング電源とデジタルアンプの間にCRフィルタを入れて見ることにしました。LCフィルタでもいいのですが、適当な部品が手元になかったのでCRにします。
回路図は以下のようにします。抵抗は0.1Ωのメタルプレート型、コンデンサは3300uFを4本と100uFの固体高分子電解コンデンサです。ACアダプタはA07に付属してきた32V5Aのものです。
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予備試験で3300uFを4本と15000uFをパラにしてみましたが、電源をON-OFFしたときにハンチングが起こるので3300uFを4本だけにしました。あと、A07の電源入力ジャックは内径2.5mmなのでそれに対応したプラグ(MJ-15)とジャック(MP122CF)を用意します。ケースはショートが怖いので秋月で売っているプラスチック製のもの(TB-32)にしました。
注意点ですが、DCプラグはセンターがフォーク型のものを選ぶ必要があります。最初、手元にあったフォーク型ではないものを使ったところ、全く接触していなくて焦りました。
ケースに押し込んだ状態です。
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A07は以前の改造から若干変更しています。6Vを作っているコンデンサを100uFに容量を増やしました。
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基板の写真です。16V100uFのコンデンサが見えます。
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ACアダプタと今回制作したフィルタとA07を接続し、A07をONにしたときの電源の状態です。
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フィルタを通った後に、パルス性のノイズレベルが低くなっています。もう少しノイズレベルが下がると思っていたのですが、これはオシロの測定ポイント、アースの採り方の問題のような気がします。なによりも、デジタルオシロに慣れていなくて操作に四苦八苦してしまいました。

フィルタの効果ですが、高音側の濁りが大きく改善されます。抵抗を0.22Ωにすると更に改善される傾向があるように感じますが、音がより平面的になり抑圧感が強くなるので0.1Ωにしています。
試しにFX-AUDIOのd302Jと12VのACアダプタでも確認してみましたが、やはり高音の濁りが改善されます。
ACアダプタなどのスイッチング電源のハンチングには気を付ける必要がありますが、試してみる価値があるように思いました。
posted by lobs at 07:47| Comment(0) | アンプ

2021年12月04日

AIYIMA A07の改造

amazonのブラックフライデーでAIYIMA A07が安く売っていたので買ってしまいました。小さくて軽いので、持ち運び用に使えないかと思ったためです。
届いた箱と、中の状態です。値段の割にまともな梱包です。
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届いた状態で音出ししてみると、音が安定せずに音像が揺らぐ感じがありました。このままでは使えそうもないので改造してみることにしました。
しかし、ネットを探しても回路図が見つかりません。TPA3255の周辺はいじるつもりはないのですが、入力周りの回路が分からないと改造の方針が立ちません。そこで、入力周りだけ回路図を作ってみました。調べた結果を下図に示します。
信号はボリュームを通った後に反転アンプで6dB増幅し、更に二段目の反転アンプで逆相の逆相である正相信号を作っています。
入力の50kΩBのBタイプは、オーディオ用としては失格なので10kΩAのAタイプに交換します。あと、一段目の反転アンプの後にコンデンサを介して二段目の反転アンプが繋がっていますが、これは何故だろうか???? 安定動作のためにコンデンサが入っているのだろうと思われますが、普通は入れないだろうと思われますので、ジャンパ処理します。
【追記】ネットを調べていたら、やはり同じようにジャンパ処理している例がありました。評価基板のマニュアルもコンデンサは入っていないので、ジャンパで直結するのがいいようです。
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オペアンプの入力周りの10μFのケミコンは、安価で音も比較的良いという評価の東信UTWRZに交換します。また、6Vを作っているケミコンは、より安定化するためにOSコンの56μFにしてみました。オペアンプも比較的評価が良いLT1364に交換します。
交換する部品を外して、Linkmanの10kAボリュームを取り付けた状態です。ボリューム周りの基板は、ピンヘッダの太さがスルーホールの内径と差が小さいため、はんだ吸取り器を使っても取り外しに苦労しました。パターンを壊していないか確認しながら作業しました。
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改造後の回路図を下図に示します。
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改造後の基板です。
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電源を入れてみると、特に問題なく動作しました。コンデンサをジャンパに変えても大丈夫なようです。一段目のオペアンプの入力バイアス電圧と二段目のオペアンプの入力バイアス電圧の差が殆ど無くなっていますので、ジャンパ処理が正解なのではないだろうか???
【追記】上でも追記しましたが、ジャンパ処理で正解のようです。

改造後に音を聴いてみると、音像が揺らぐ感じが無くなりました。
ただ、やっぱりデジタルアンプのせいなのか、電源がACアダプタのせいなのか QUAD77のパワーアンプに比較すると分解能が劣ります。しかし、かなり善戦していることも事実なので、持ち運び用としては使えるレベルのような気がしました。なんといっても、軽くて小さいのがいいです。
posted by lobs at 19:03| Comment(0) | アンプ