リレー式アッテネータで使用している抵抗の違うものが3種類集まったので、聴き比べてみました。
M氏が作った進工業のRE55抵抗を使ったリレー式アッテネータ、O氏が作ったタクマンREY抵抗を使った手作りアンプの会標準セット、それに私が作ったBISPAのLGMSF抵抗を使ったものです。
抵抗の違いによる音の変化は、1本の抵抗を変えて比較試聴しても その変化はそれほど大きくないと思われます。このため、同じ品種の抵抗をなるべく多く通過させて音の変化を確認することが望ましいでしょう。今回作ったリレー式のアッテネータは、多数の抵抗を使いますので、抵抗の違いによる音の変化を確認する目的にはぴったりです。
但し、品種の違う抵抗で作ったものが集まるかどうかが問題です。この点、我が手作りアンプの会には、他人と同じものを作るのはいやだという人が私を含めて多くいます。そして集まったのが前記の三種類となります。
M氏が作ったアッテネータの内部です。進工業のRE55を組み合わせて減衰特性を理想的な状態にしています。

比較試聴の様子です。O氏宅にお邪魔させて頂きました。

最初に書いておきますが、聴いてすぐに分かるような違いはありません。曲の中で、違いの出る所を聴き比べることで差が分かるような感じです。ですから、以下の評価結果は強調して書いていると判断して下さい。
BISPA LGMSFと進工業RE-55は、音の左右の広がりは同じ傾向です。これに対してタクマンREYは、スピーカー中央の音を強調して前に押し出すような印象があります。またタクマンREYは、BISPA LGMSF、進工業RE-55に較べて落ち着いた音です。進工業RE-55はソースによっては微妙に神経質になることがあります。BISPA LGMSFは両者の中間で進工業RE-55寄りになります。
音のクリアさというか、細かい分解能というか、澄んだ音に聞こえるのはBISPA LGMSFです。タクマンREYは、中央の音を前に押し出すような感じになるため、細かい音が聴き分け難くなるような印象があります。進工業RE-55は2本直列にして減衰特性を合わせているため、微妙に不利な結果になりました。
面白いのは、タクマンREYの音量が少し小さく聴こえることです。計算上の減衰特性の違いは視聴した減衰特性の時に、BISPA LGMSF使用品が一番レベルが低く、タクマンREY品がそれより0.3dBほどレベル高く、M氏の進工業RE-55使用品がさらに0.6dBほど高いのですが、BISPA LGMSF使用品と進工業RE-55使用品が同じような音量に聴こえるのに対してタクマンREY品が微妙に低く感じます。
聴き較べた結果、大きな違いはなくて良かったという感想です。もちろん、違いはありますし、抵抗の違いを追求する価値はあると思いますが、優先度は低いのではないでしょうか。
世の中で音響用とかオーディオ用とか、或いはオーディオ用として評価されているものを選んでおけば大丈夫でしょう。