抵抗を測定するときに4端子法を使うと接触抵抗の影響を受けにくくなり、測定精度が向上します。今までの4端子法のイメージは、JISの金属材料の試験方法に書かれているような測定法であり、電流供給端子と電圧測定端子が2個ずつの4個のクリップが必要だと信じ込んでいました。
最近、M氏のアンプを調整するために謀G寺に行ったとき、R-2R DACに使う抵抗の選別の話が出て、aitendoで売っているクリップを使うと2個で4端子法の測定ができるということを教えてもらいました。早速aitendoに注文して届いたクリップです。

このクリップは、先端の両側に金属板があって、二枚の金属板でリード線を挟み込むようになっています。クリプから2本の線を出してバナナプラグと接続します。

この手のクリップの名前が分らなかったので、ネットを調べていたらケルビンクリップという名前があることを知りました。 今まで知らなかった・・・・・・
早速、作ったケルビンクリップを使ってYOKOGAWA 7561マルチメータで抵抗などを測定してみました。
まず、ピンセットでショートしてみます。2端子法だと接触抵抗の影響をまともに受けていて260Ω程度の値が出てます。

これが、4端子法だと見事に接触抵抗の影響をキャンセルできており、ゼロになっています。

4.7Ω±1%の抵抗を2端子法で測定した結果です。接触抵抗の影響で0.3Ω程度大きな値になっています。

これが4端子法だと接触抵抗分が低くなっており、抵抗の値に近い数字が出ます。

1kΩ±1%の抵抗を2端子法で測定した結果です。

4端子法の測定結果です。このくらい抵抗値が大きくなると2端子法との差はほとんどありませんが、やはり0.3Ω程度小さくなっています。

ケルビンクリップを使うと、ワニ口クリップを使う感覚で4端子法の測定ができます。今回作ったものは、線が太すぎてちょっと使いにくかったので、線を補足したものも作ってみようかと思っています。