2020年04月20日

ファンタム電源アダプタの製作

今までマイクアンプの動作確認を行う場合は、中華製昇圧コンバータを改造した基板(http://minor-audio.sblo.jp/article/184254436.html)で48Vを作り、6.8kΩの抵抗を基板用XLRソケットにはんだ付けした簡易的なものを使っていました。基板用XLRソケットは、DCX2496から外したものです。
このままでもあまり不便を感じて来なかったのですが、XLRコネクタ内蔵マイクアンプの供給電圧を変えた試験をしたいと思った時にバラック状態のままなのでショートの危険があり融通が利きません。
そこでファンタム電源アダプタであって、ファンタム電圧を変更できるようなものを作ろうと考えました。
48V電源は上に書いた昇圧コンバータを使い、基板部分の最終的な回路図は以下のようになります。電源基板には逆流防止と昇圧コンバータを動作させないときの絶縁を目的としてファストリカバリダイオードを入れているので、昇圧コンバータからは49.2Vを供給しています。電圧降下の大きなファストリカバリダイオードですが、電流が小さいのでこのくらいの電圧降下で済んでいるようです。
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ケースは秋月で売っているYM-150にしました。コネクタは、比較的安価で入手が容易なトモカの3-31Nと3-32Nです。加工途中の状態です。いびつな穴が空いていますが、隠れるので気にしないことにします。
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昇圧コンバータからの電圧はノイズフィルタなどを載せた電源基板で受けます。当初、電源基板にはノイズ低減を狙って大きな容量のケミコンを入れるつもりでいました。下の写真は電源基板に当初の予定の部品を組み付けた状態です。しかしケミコンの容量を大きくすると昇圧コンバータがハンチングを起こしてしまうことが分かりました。このため、回路図に記載のような容量に落ち着きました。
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結局電源部の基板は殆ど部品が載らないことになってしまいました。
なお、電源電圧を変える場合は、昇圧コンバータ基板からのコネクタを外して外部から別の電源を供給することになります。もちろん、昇圧コンバータの調整範囲内(個体差があるので大体13V〜50V、これ以上は基板上のケミコンの耐圧を超えてしまう)であれば昇圧コンバータに載っている半固定抵抗を調整することでも変更できます。
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アダプタ基板上のマイク信号が通るケミコンは、逆方向にも電圧がかかる可能性があるのでバイポーラタイプです。このようになる状態になる一つの例としては、録音機側でファンタム電源をONにし、このファンタム電源アダプタの昇圧コンバータが動作していない状態があります。
計画では100V 100μFのバイポーラケミコンを使うつもりでしたが、サイズが大きくて基板に載せるのに苦労しそうなので47μFを使いました。
通電試験の状態です。LEDの電流は2mAにしましたが、かなり眩しい。

今回の組み立てでは、奇跡的に ネジ穴を全て修正無しで開けることができました。いつもは4箇所開けると1箇所くらいは修正が必要でしたが、今回はそのまま基板、コネクタの取り付けができました。
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録音機に接続するコネクタ側です。
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スィチングの昇圧コンバータを使っているのでノイズが心配でした。電源部のケミコンの容量を大きくできなかったのでなおさらです。しかし、実際にマイク、録音機を接続して動作確認をしてみると、ノイズの心配は無いようです。このアダプタからXLR内蔵マイク基板に48Vを供給してもノイズレベルは問題が無く、十分使えるレベルであることが分かりました。
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出来上がったものは、意外と実用性の高いものになったような気がします。昇圧コンバータは外部から供給する電圧が5Vあたりから動作するし、消費電流も小さいので乾電池はやモバイルバッテリーで動作させることが可能です。
供給する基板の動作確認、電圧依存性の試験などに活用できるだけでなく、実際の録音にも使えそうです。
posted by lobs at 22:59| Comment(0) | 録音