これは確認しておく必要があると思い、まず、先日書き込んだ 電圧を変更できるファンタム電源アダプタを作りました。
今回は、これを使って試験してみました。
FETに2SK879を使ったマイクアンプの回路ですが、三太郎さん式の回路はこちらです。

蝦名の回路(以前にも載せましたが、「ShinさんのPA工作室」の回路に三太郎さんのアイディアを取込んだもの)はこちらです。

使ったマイクはこちらです。マイクカプセルは三太郎さんに選別してもらったXCM6035(WM-61A互換品)を使いました。上側の灰色のブッシュを使った二本が三太郎さんの回路基板を入れたものです。

マイクカプセルを接続した状態でないと電流バランスが崩れて動作確認ができないので、周波数特性などは測定できません。ファンタム電圧を変えたときに各部の電圧を測定し、またアンプの動作確認はDR-100IIを接続してマイクが拾った音を聞くことで行いました。

DEQ2496のマイクアンプは回路図を見つけることができませんでしたが、DCX2496と同じであろうと推定しました。この場合15Vに接続する抵抗は1kΩになりますので、下の写真のようにピンヘッダにソケットを二段に重ねて挿入し、6.8kΩとパラに1.2kΩを入れてテストしてみました。今回は、15Vと12VでDEQ2496と推定した回路で測定を行いました。

2SK879差動FETに流れる全電流を以下に示します。差動FETの全電流はファンタム電源電圧の変化に対してほぼ直線的に変化します。DEQ2496と推定した条件との差は大きくありませんでした。

次に、マイクカプセル電圧とマイクカプセル電流を以下に示します。マイクカプセル電圧はファンタム電源電圧が15V、12Vで0.5V以下になってしまいます。DEQ2496と推定した条件との差は、やはり大きくありませんでした。
しかしマイクカプセル電流はマイクカプセル電圧の影響をあまり受けておらず、ファンタム電源電圧の変化に対してほぼ直線的に変化していました。

マイクは12Vでもちゃんと音を拾って動作していました。マイクカプセルはかなり低い電圧から動作しているようです。
マイクカプセル電圧の変化から推定して、三太郎さん式の回路、蝦名の回路とも感度は下がりますが ファンタム電源電圧は24Vあれば安定に動作するようです。また、12Vくらいまで低下しても、とりあえずは音を拾うことができるようです。
これらの結果から、予想外に低い電圧から動作していることが分かりました。感度が低下するとか、負荷によっては出力電圧が不足するといったことは考えられますが、動作するという意味では環境の変化に強いマイクアンプであることが分かりました。